プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えて若い女性やカップルが生活や習慣を見直す取り組みです。妊娠出産をする女性やそのパートナー、将来の家族の健康を目指すことが定義されています。
妊娠を考える女性はもちろん、すべての妊娠可能年齢の女性にとって必要なケアです。厚生労働省でも、プレコンセプションケアの取り組みに重点を置いています。
今回は、プレコンセプションケアの定義や必要な行動などについて解説します。プレコンセプションケアに関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
プレコンセプションケアは厚生労働省が推進する取り組み
厚生労働省は、プレコンセプションケアに関する取り組みを定期的に開催しています。プレコンセプションケア事業に関する自治体担当者への説明会を実施して、理解を広める活動をしています。
最近では、若者向けの健康相談支援サイト「スマート保健相談室」をオープンしました。スマートフォンからでもアクセスでき、将来の妊娠を考えている若者のために情報を掲載しているサイトです。性や妊娠に関する相談窓口も無料で紹介しています。
今後も、厚生労働省によるプレコンセプションケアに関わる体制整備のための取り組みは進むでしょう。
不妊症の原因について
プレコンセプションケアに取り組む際は、パートナーと自分自身の健康状態や生殖機能などについて見ることが必要です。不妊になりやすい原因を知ることで、プレコンセプションケアにどのように取り組むか方向が見えてきます。
この章では、プレコンセプションケアで着目される不妊の原因に関する知識を解説します。
男性は精巣の問題
妊娠・出産をするのは女性ですが、パートナーである男性にも不妊症の原因が見られる場合があります。男性の場合は、精子と精巣の状態が関係する点が主な特徴です。
きつい下着やズボンを履いて睾丸を締め付けたり、暑い環境にいる時間が長かったりすると、精子の状態に影響するとされます。また、喫煙や飲酒なども生殖機能を落とす可能性があります。
精子の運動率や状態が気になる方は、検査キットで精子を採取して検査できるサービスの利用も可能です。インターネットから誰でも簡単に申し込みができます。
女性は生理不順などの女性ホルモンの乱れ
女性が不妊になりやすい原因は、主に女性ホルモンバランスの乱れです。月経困難症や生理不順などの月経トラブルを抱えていて、不妊症になる方もいます。ほかには、子宮筋腫や子宮内膜症、性感染症を経験している方も不妊になりやすいとされています。
また、飲酒・喫煙・運動不足などの生活習慣の乱れも、不妊なる原因の一つです。過度なダイエットやストレスも、不妊につながる恐れがあります。妊娠を希望するなら、規則正しい生活と習慣を整えるのが大切です。
不妊症に関して気になる点があれば、パートナーと共に最寄りの婦人科を受診しましょう。
プレコンセプションケアで大切な生活習慣
プレコンセプションケアで大切な生活習慣は、下記の4つです。
- 栄養バランスの整った食事
- 適度な運動や睡眠
- 禁煙(受動喫煙対策)
- ストレス対策
この章では、それぞれの生活習慣について解説します。
栄養バランスの整った食事
妊娠のためには、栄養のバランスを考えた食事を取る必要があります。妊娠しやすい身体を作るために必要な栄養を意識しながら、偏りのない食事を1日3食摂って健康維持につなげます。
妊娠したい女性や妊婦さんに必要な栄養素は、ビタミンDや葉酸、鉄分やカルシウムなどです。妊娠してからの身体づくりや赤ちゃん(胎児)の成長を促すためにも、意識しながら摂取していきましょう。
炭水化物や脂質、アルコールの摂取しすぎに注意して食事を管理するのが大切です。
適度な運動や睡眠
プレコンセプションケアにあたっては、運動や睡眠の習慣も重要です。どちらも、妊娠しやすい健康な身体を作るために欠かせません。
プレコンセプションケアでは、1週間に合計150分の運動を推奨しています。運動不足を感じている方も、1日に10分程度歩いたり可能な限り階段を使ったりして、運動量を少しでも長くするのが大切です。
また、妊娠のためには質のよい睡眠も必要です。妊娠と自分自身の健康のためにも、1日6〜8時間程度の睡眠を取り生活リズムを整えましょう。
禁煙(受動喫煙対策)
喫煙の習慣があると、タバコに含まれる成分によって妊娠しても流産や早産の可能性が高くなってしまいます。妊娠を考えている女性で、現在喫煙の習慣がある方は早めに禁煙をしましょう。自分一人で禁煙が難しい場合は、禁煙外来の受診も可能です。
また、周囲にタバコを吸う方がいる女性も、できる限り受動喫煙を避ける必要があります。換気をしたり喫煙所から離れた場所で行動したりと、タバコの煙に当たらないための動きが大切です。
ストレス対策
ストレスを溜めすぎると、不安や抑うつなどの精神疾患の原因ともなりかねません。そのため、心身の健康を維持するためにはストレスを解消する必要があります。自分なりのストレス解消方法を見つけるのが大切です。
ストレス対策にウォーキングなどの適度な運動を取り入れれば、ストレス発散と運動不足の対策に効果的です。普段から運動不足を感じている方は、ストレス解消に軽めの運動を取り入れてみましょう。
プレコンセプションケアのために必要な行動
プレコンセプションケアには、生活習慣を整える以外に下記のような行動も大切です。
- 健康診断や定期検診の受診
- 感染症の予防
- 生殖機能についての理解
この章では、それぞれの行動について解説します。これからプレコンセプションケアを始めたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
健康診断や定期検診の受診
妊娠を希望している方は、健康診断(会社や自治体など)や婦人科系の検診、歯科検診を定期的に受けることが大切です。自身の健康状態を把握して、何か問題がないか確認をしましょう。所見があれば、改善のために生活習慣の見直しが大事です。
子宮頸がんなどの婦人科系の検診を受ければ、病気の早期発見と早期治療が可能です。また、妊娠中は口内環境が悪化する恐れもあるので、20代のうちから定期的に歯科検診を受けましょう。
現在は自覚症状がない方も、健康診断や定期検診を受ける習慣をつければ、妊娠だけでなく自身の健康にもつながります。
感染症の予防
感染症にかかると、お腹の赤ちゃんに影響する恐れがあります。感染症予防のためには、予防接種を受けたり日頃からの体調管理に配慮したりする必要があります。風邪を引きにくい体質の方も、予防接種は忘れずに受けましょう。
また、HIVや性感染症の治療は、パートナーと共に専門の医療機関を受診してください。医師の話によく耳を傾けて、お互いに理解をすることが大切です。
生殖機能についての理解
妊娠を希望している女性は、お互いの生殖機能に関して理解を深めましょう。
男性の場合は、熱や洋服の締め付け、普段の生活習慣などが精子の質に影響します。精子の状態が気になる男性は、一度医療機関でブライダルチェックを受けると状態を把握しやすくなります。
女性の場合は、きちんと周期通りに月経が来ているか確認が必要です。月経の周期に乱れがある方や、月経が来ていない方は婦人科を早めに受診しましょう。
プレコンセプションケアの定義を理解しましょう
プレコンセプションケアは、妊娠・出産をする女性だけではなくパートナーである男性も理解が必要です。将来健康な子どもを生むために、それぞれが正しい知識をもってケアに取り組む必要があります。
パートナーとともに、お互いの生殖機能や健康状態について把握をしながらプレコンセプションケアを進めましょう。