過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは?その症状と対処方法を紹介

「緊張するとお腹が痛くなり、ひどい時は立っていられなくなる」、「下痢が続いてトイレにこもってしまう」などといった症状が続くのに、病院に行くと「異常なし」と診断される方は過敏性腸症候群かもしれません。

過敏性腸症候群は腸に腫瘍や炎症などといった物理的な原因がないのが特徴であるため、診断が付きにくく、対処法も分からず悩んでいる人も多いようです。

この記事では過敏性腸症候群とはどのような病気かを解説し、その対処方法を紹介します。

過敏性腸症候群の特徴と原因について

過敏性腸症候群とは、特に消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛と便秘、または下痢を慢性的に繰り返す病気です。 腸管の運動が異常に亢進し、刺激への反応が過敏になることで引き起こされると考えられています。 主な原因は、ストレス、不安、抑うつ、恐怖などの心理的要因や自律神経の失調とされています。

過敏性腸症候群の原因はは腸内でセロトニンという物質が分泌され、同じ腸内にある受容体と結びつくことによって異常な腸運動が起こるというものとされています。

どうしてこのような症状が起こるのか、具体的には明らかになっていませんが、精神的なストレスや自律神経の乱れなどが原因と考えられています。

過敏性腸症候群の症状

過敏性腸症候群の症状は人によって様々ですが、一般的な症状としては、

・下痢や便秘が続く、または下痢と便秘が交互におこる

・常に膨満感がある

・胃がもたれやすい

・異常におならが出て、匂いが強い

といったものがあります。

このような症状が続く場合、大腸がんや憩室症、潰瘍性大腸炎、クローン病なども疑われますが、病院で検査しても具体的な腸内の異常が見つからない場合は、過敏性腸症候群である可能性が高いです。

この症状は過敏性腸症候群?病院での診断基準

過敏性腸症候群にはローマ基準と呼ばれる標準的な診断基準があります。

・過去3か月内に1種間あたり1日以上の腹痛症状があること

・上記に加え、以下の2項目以上が該当すること

 ①排便によって腹痛症状や不快感が改善すること

 ②腹痛や不快症状とともに排便回数が増減すること

 ③腹痛や不快症状とともに便の形状に変化があること

上記の診断基準と並行して消化器系の病気に対する検査を行い、症状が他の病気によって起こっているものでないかを確認し、さらに心理状態やストレスの有無、生活習慣などに関する問診結果も含めて総合的に診断がされます。

過敏性腸症候群の4つのタイプ

過敏性腸症候群には症状のあらわれ方によって下痢型、便秘型、混合型、分類不能型の4つのタイプに分けられます。それぞれのタイプの特徴を紹介しましょう。

下痢型

突然お腹が痛くなったり、ひどい下痢が続くと下痢型を疑いましょう。国際的な基準では「軟便・水状便が25%以上、硬い便やウサギ状便が25%未満」の状態が続くと下痢型だと判断されます。

下痢型の方はいつ症状が出るか分からないため、発症した時に近くにトイレがない事態や会議や授業中などすぐにトイレに行けない事態などに対する不安を抱えがちです。

その不安がストレスになり、そのストレスによってさらに症状を起こしやすくなるという悪循環を招いてしまうこともあります。

便秘型

便秘が長く続き、常にお腹が張る、鈍痛を感じるなどといった症状は便秘型に分類されます。

国際的な基準は「硬い便・ウサギ状便が25%以上、軟便・水状便が25%未満」です。

このタイプは腸の緊張により大腸のぜん道運動が減少することが原因だと言われています。

大腸の動きが悪くなることで、便は長時間大腸に停滞することなり、大腸内で水分が過剰に吸収された結果、ウサギの便のように硬くなってしまうのです。

便秘が続くことによって常に下腹部に不快感を感じ、食欲不振になる人も少なくありません。

混合型

過敏性腸症候群の4つのタイプの中で、一番多いのは混合型です。

混合型は数日下痢が続いていて、症状が治まったと思ったら便秘状態が続くといった、下痢と便秘の症状が交互にあらわれるもので、国際的な基準では「硬い便・ウサギ状便と軟便・水状便がともに25%以上のもの」を指します。

おなかの調子が悪いのが常態化してしまい、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩んでいる人も多いようです。

ガス型を始めとする分類不能型

上記のタイプのような便の異常はないものの、お腹の不調が続く症状は分類不能型に分類されますが、その中でも「食欲がなく少量しか食べていないのにお腹がはる」、「おならが頻繁に出て匂いが強烈」といった症状はガス型に分類されます。

ガス型を始めとする分類不能型に関しては他のタイプと違って基準となるような数値がなく、「過敏性腸症候群」の中でもなかなか診断がされにくいタイプと言えるでしょう。

ガス型のセルフチェックポイントは、以下のような症状が続くことです。

・空腹時でもお腹が張る

・おならが非常に多い

・おならを我慢すると、お腹が痛くなる

・無意識におならが出てしまう

上記のような症状が続く、または頻発する場合はガス型を疑って下さい。

症状が悪化し、「無意識におならが出てしまう」ことが続くと、“おなら恐怖症”などと呼ばれる一種の対人恐怖症になってしまう場合もあります。

過敏性腸症候群の対処方法

過敏性腸症候群の治療方法については、まだ明確なものはありません。

完治を目指すというよりは、生活習慣を整えたり対処療法的な投薬を行うことによって症状を改善しながら、病気と上手に付き合っていくという意識が大切です。

生活習慣の改善

過敏性腸症候群の大きな要因はストレスです。ストレスをためない、またはストレスを発散しやすい生活習慣を身に着けるようにしましょう。

睡眠時間や食事の時間、タイミングなどを規則的にすること、適度な運動を習慣化すること、自分に適したストレス発散法をみつけ、それを定期的に実行することなどが大事です。

食生活の改善

食生活の改善は過敏性腸症候群の症状緩和に非常に重要です。まずはできるだけ決まった時間に食事を摂ること、胃や腸の負担をおさえるために咀嚼回数を増やすこと、アルコールやコーヒー、辛いものなど刺激の強い食品は控えましょう。

特にガス型の場合は、体内でガスを発生させる要因となる乳糖や炭酸飲料の摂取も避けるべきです。

腸内の老廃物を排出する食物繊維を多く含んだ食品は積極的に食べることをおすすめしますが、豆類やごぼう、さつまいも、ブロッコリーなどの不溶性食物繊維は消化がしにくく、消化器に負荷がかかるので、適度な摂取を心がけましょう。

腸の粘膜を強くする乳酸菌やビタミンA、ビタミンB2を含む食品は症状改善に有効です。

投薬による症状改善

現在のところ、過敏性腸症候群に特効薬はありませんが、症状が続いて日常生活に支障をきたす、生活習慣や食生活を改善してもなかなか効果が出ないという場合は、症状の緩和をはかるために薬が処方されることもあります。

下痢が続く場合は下痢止め、便秘が続くようであれば下剤や緩下剤、混合型の場合はポリアクリル樹脂の内服薬が便の硬さの調整に効果的です。

痛みが強い場合は胃腸のけいれんをおさえる抗コリン薬が、ストレスが強いと診断されたら抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。

投薬は一時的な症状の緩和には効果的ですが、習慣化すると薬が効きにくくなるため、必ず病院の処方に従いましょう。

まとめ

過敏性腸症候群は今や10人に1人の日本人がかかっている病気だと言われていますが、その原因はまだ不明瞭で、治療法も確立していません。

下痢や便秘、おならの頻発など、他人に相談するのは恥ずかしい症状だと感じてしまう人も多く、一人でお腹の不調を我慢し続け、そのストレスで症状が悪化するといった悪循環に陥る人も少なくないようです。

症状が進むと日常生活の様々な場面で支障をきたすことから過敏性腸症候群が精神的な疾患につながる可能性もあります。

過敏性腸症候群はできるだけ物理的にも精神的にも胃や腸への負荷を減らし、時間をかけて生活習慣や体質を改善していくことが大事です。

また過敏性腸症候群によって起こる症状は、大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病など危険な病気による症状と似通っています。胃腸の不調を過敏性腸症候群によるものだと自己診断するのは危険です。

腹痛や下痢、おならの頻発が続く場合は病院で検査を受けることによって早急な治療を必要とする危険な病気でないかを確認し、過敏性腸症候群と診断された場合は投薬を含め症状改善のための方法を医師と相談しながら過敏性腸症候群と上手につきあっていきましょう。

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